「アーティフィシャルのトリセツ」
アーティフィシャルフラワーとは、
生花をリアルに再現し、生花にはない美しさを表現した、造られたお花です。
以前は「造花」と呼ばれていましたが、年々品質の向上により、旧来品と区別するうえでも「アーティフィシャルフラワー」という呼び名が定着してきていますが、生花では出せない高い芸術性と耐久性で、世界的に高い評価を受けています。
主にポリエステルやポリエチレンといった素材で作られており、他のフラワーマテリアルと比べ耐久性に優れています。
また、人工的なお花のため、劣化しないこと、花材として再度利用しやすいことから、インテリアの他、ディスプレイ、ブライダル等、多様化しているフラワービジネスにおいては必要不可欠な存在として、ビジネスシーンにおいて近年その価値が上昇しつつあります。
▼インテリアとして
玄関やリビング、壁掛けなど、飾る場所を選ばず、長く楽しんでいただくことができ、新築祝いやモデルルームの飾り付けなどに適しています。
▼ディスプレイとして
ホテルやレストランなどのエントランスやウィンドウの飾り付け等、大きなスペースや高い場所、水が使えない場所でも、自在に飾り付けることができます。
▼ブライダルシーンでは
アーティフィシャルフラワーのブーケは壊れにくく、また、色移りもなく輸送に強いため、海外ウェディングにも最適です。リメイクしてアレンジに作り直し、思い出を残すことも出来ます。
このように、あらゆるシーンに登場するアーティフィシャルフラワーですが、
当然、その特徴や独自の扱い方、マテリアル(原材料、素材)等の知識はもちろん、確かな技術が求められることは言うまでもありません。
基本的に生花で販売されている花材のほとんどが、アーティフィシャルフラワー用の花材として多くのメーカーから商品化されておりますが、「フラワーデザイン京都」では、色合いも咲き方も、葉の付き方まで、こだわり抜いて作られた高品質な商品だけを使用しています。
「アーティフィシャルフラワーの特徴」を纏めると、
~メリット~
- 給水不要で長期間装飾が可能です。
- 人工素材のため耐久性に優れています。
- 花材の種類が豊富で、多種多様なアレンジを制作することが出来ます。
- 葉や茎にワイヤーが入っており、曲げたり絡めたり自由にデザイン出来ます。
- 花から茎まで多様な花材が開発されつつありストックすることが可能なため、ビジネスシーンでの利用も多くなっています。
~デメリット~
- 生花ではないため、鮮度や香りといった花本来の特徴は有していません。
などが挙げられます。
また、同じ花材でもさまざまな色や咲き方のものがあり、お花とお花の間隔や葉の付き方等、自然に即して作られているので、切り分けて自然なアレンジを作ることが出来ます。
色合いや実の付き方にこだわって作られた「実もの」は、アンティークなアレンジやナチュラルなアレンジを演出してくれますし、
「葉もの」は、さまざまな種類があるので、用途に合わせて使い分けることが出来ます。
さらに、ポリエステルなどの繊維素材から出来ている「お花」は、カーテンやクッション、ソファやカーペット等の「インテリアファブリック(インテリアに使う布類の意)」と、「素材」としての相性が良いのも特徴の一つです。
生花と比べてみても、アーティフィシャルフラワーは 「素材」としてインテリアに溶け込みやすく、「統一感」があります。(アーティフィシャルフラワーの)アレンジメントに「リボン」や「ファブリック」、「タッセル」などが多く使用されているのも、インテリアとの相性が良いからとも言えましょう。
「アーティフィシャルフラワーのお取扱い」は、
■アーティフィシャルフラワーの花や葉についたホコリは、柔らかい布や筆等で軽くなでるように取って(払って)あげてください。
■水をあげる必要はありません。基本的に防水、色止め加工は施されていないので、水で洗ったり、擦ったりは厳禁です。
■火器の近くだと燃える恐れがあるため、使用にならないでください。
■色褪せを防ぐため、直射日光を避けた場所で飾ったり、保管をしてください。
■葉や茎にワイヤーが入っており、お子様やペットが触れたり、口に入れないよう十分ご注意ください。
このように、水替えも不要、ホコリを落とす程度の簡単なお手入れだけで、 いつまでも美しい状態を保ってくれるお花、それが「アーティフィシャルフラワー」です。
現在は、花材の種類も豊富になり、季節に合わせたお花を楽しめるだけではなく、
季節に関係なく、自分のお気に入りのお花やグリーンをずっと飾っておくことも可能になりました。
色や形、サイズなどさまざまな種類の中から厳選し、インテリアとの調和を考え、どんなスタイルにもコーディネート出来るのは、いわゆる「造花」と呼ばれるお花の中でも「アーティフィシャルフラワー」なればこそ。
「ほんの少しの手間だけで、美しい癒し空間が手に入る」とは、まさしく、アーティフィシャルフラワーは、忙しい現代人にピッタリのお花と言えるのではないでしょうか!
良質のものを選べば、単に「造花」という安っぽさよりは、「上質感」や「高級感」が感じられ、場所を選ぶことなくお好きなスタイルに合わせ、さまざまなデザインのバリエーションをも楽しむことが出来るでしょう!
明らかに、造花とは次元の違うクオリティーに、
さらなる可能性を秘めたお花(=アーティフィシャルフラワー)の今後が、ますます楽しみでなりません。
【この記事を書いた人】
フラワーアーティスト みやび美歩
(アーティフィシャルフラワーデザイナー協会(AFDA)認定デザイナー)
「アーティフィシャルフラワーを 《ツール》から《アート》へ昇華させたい」との想いを持ち、アーティフィシャルフラワーだからこそできる「表現」の探求、個展・ワークショップを開催中。
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