知れば感動!「なぜ、お盆に蓮(はす)の花?」
こんにちは、みやび美歩です。
■もうすぐお盆ですね。
読者の皆さまの中には、
お盆にはお墓参りを予定されておられる方も、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?
また、お盆にお供えする花として、「蓮(はす)の花」を連想される方も多いのではないでしょうか?
(★「そもそも蓮って?」と思われた方は、ぜひ最後までご覧下さい! 最後に詳しく・・)
、、、
では、「なぜ、お盆には蓮の花をお供えするのでしょうか?」
その「答え」をお伝えする前に、まずは「蓮の花」について少し。。
■蓮(はす)の花は、インド、スリランカ、そしてベトナムの国花ですが、
その所以(ゆえん)は、ヒンドゥー教・仏教に密接な関係があるようです。
古代のインドでは、蓮は「神話や聖典の象徴(シンボル)」として使われてきました。
泥の中からすっと生え、気高く咲く花、
まっすぐに大きく広がり、水を弾く凛とした葉、、
そのような姿が、
「俗世の欲にまみれず清らかに生きることの象徴」と捉えられ、
このイメージが、仏教にも継承されたと言われています。
想像するに、人々は、
時としてこの世を泥に例え、
濁った泥の中から咲く美しい花に、理想の人生をなぞらえていたのではないでしょうか?!
■仏教では、
蓮の花は「蓮華(れんげ)」と称され、「極楽浄土を象徴する花」となりました。
お釈迦さまが蓮華の上で瞑想する絵を、あなたも一度は見たことがあるでしょう(!?)
そして、紀元前2~3世紀には既に、
「仏像が蓮をかたどった台座に乗せられる」現代と同じスタイルになったそうです。
■それでは、ここで先ほどの「答え」を!
「なぜ、お盆には蓮の花をお供えするのでしょうか?」
、、、察しが良い方は、もうお分かりでしょう?
それは、
「お盆そのものが仏教から来ている習慣だから、、」です。
仏教の中で最も格上の、最上の花が「蓮の花」。
まさに「天上の花」であり、「極楽浄土に生える花」とされています。
■もちろん、蓮の花はお盆以外にお供えしても良いのでしょうが、
開花期が7~8月頃と、ちょうど「お盆」に重なっています。
一般的に蓮の花は、
お盆の際には「真菰(まこも)」や「ほおずき」で飾った精霊棚(しょうりょうだな)に供えたり、
葉にお供え物をのせて飾ったりしますが、
中には、蓮の葉でご飯を包んだり、葉をご飯に混ぜて食べたりする地方もあるようです。
■悲しみの場面を想像しがちな「蓮の花」ではありますが、
実は、とても縁起が良いもの。
仏教では、「仏さまは香りを召し上がる」との教えより、
仏さまやご先祖さまへのお供えは「生花」とされています。
これは、食べ物のお供えも同様。
仏さまやご先祖さまは、「食べ物の香りを召し上がる」と考えられているのです。
★そもそも「蓮(はす)」とは、
野菜の「蓮根(れんこん)」のこと。
根っこ(地下茎『 ちかけい 』)を「蓮根」として我々は食しており、実も食用になります。
水中に3m、地上部1mくらいのビッグサイズの植物。
池や沼といった水中の泥の中に根を張り、水上に葉や花を伸ばします。
よく夏に水鉢に植えてあるものは「蓮(はす)」ではなく「睡蓮(すいれん)」。
見た目は似ていますが、サイズもまったく違っており、親戚でも何でもありません。
切り花にすると、非常に水の吸い上げが悪いため、つぼみの状態の花を咲かせることは厳しいかと。
「仏教の象徴花」なので、寺院の池によく栽培されています。
■それでは、【 花楽(かがく)の時間 ~第115時限 】
最後までお付き合い下さりありがとうございました
【この記事を書いた人】
フラワーアーティスト みやび美歩
(アーティフィシャルフラワーデザイナー協会(AFDA)認定デザイナー)
「アーティフィシャルフラワーを 《ツール》から《アート》へ昇華させたい」との想いを持ち、アーティフィシャルフラワーだからこそできる「表現」の探求、個展・ワークショップを開催中。
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