香り (匂い)は記憶に強く残る要素です!

なんとなく香ってきた匂いが、遠く過ぎた思い出をフラッシュバックさせたり、香りによって誰かを思い起こしたり、、、

皆さまの中にも、このような経験をされた方多くいらっしゃいますよね?

もちろん、これにはちゃんとした理由があります。

ご存知のように、嗅覚は (私達の) 鼻の奥にあります。

空気中の化学物質が鼻の粘膜の水に溶けて嗅覚の受容体を刺激し大脳辺縁系に情報を送るのですが、嗅覚はそこ (大脳辺縁系) で情報を処理します。

そして、
大脳辺縁系は「情報を処理する場所」でありながら、一方では 「情動脳」 とも呼ばれ「感情を司る脳」としての役割も果たしています。

つまり、
「情報を処理する場所」 と 「感情を司る場所」 の二つ (の場所) が同じ大脳辺縁系にあることから、匂いによって記憶や感情が呼び覚まされたりするわけです。

では、
五感のうち嗅覚以外の4つの感覚 (視覚、聴覚、味覚、触覚) は、どうなっているのでしょうか?

興味ありますよね?(笑)

嗅覚以外の4つの感覚 (視覚、聴覚、味覚、触覚) は、嗅覚とは異なる情報伝達経路を持っています。

視床下部を通って大脳皮質の各感覚領域に情報を送り、その後、大脳辺縁系に到達するのだそうですが、
こちらは、目で見たもの、耳で聞いたものなどはまず大脳皮質に伝えられ、そこで記憶と照合されて
「これは○○!」 と認識した上で感情が現れる、という構造なのです。

(大脳皮質が「理性の脳」 と言われる所以を、ここに垣間見た気がします。)

さらに、情報は大脳辺縁系に 「ダイレクトに」 伝わります。

これまで見てきたように、
大脳辺縁系が「記憶や感情を司る部分」であることを考えると、

以前同じ匂いや香りをかいだ時の記憶や感情を、「瞬間的に」 呼び覚ますことがあっても、何だか納得出来ますよね!?

嗅覚は五感の中でも特に 「本能的な感覚」 なのでしょうか!?

また興味深いことに、嗅覚は睡眠中でも休むことはありません。

これは、寝ている間にも外敵から身を守る為、一番発達した感覚を起こしておかなければならないから、なのだそう。

嗅覚と嗅覚以外の4つの感覚には、情報の伝わり方に違いがあるのですね。

なんとなく香ってきた匂いが、遠く過ぎた思い出をフラッシュバックさせたり、香りによって誰かを思い起こしたり、、、

このような現象が起こるには、上記のような理由があったからなのです。
嗅覚の情報伝達経路と脳の構造、実に興味深いですね。

ところで、
花にも香りがあります。

時に「鼻を突(つ)く」香りもありますが、
(これを「香り」と呼ぶには、いささか反論もありそうですが、苦笑)

素敵な香りと共に鮮やかな記憶を呼び戻し、また新たな記憶を創ることも、
「花を愛でる」楽しみの一つかもしれません。

たった1輪であっても、
花の香りを嗅いだり、花をただ見るだけでも、人はリラックスする生きものです。

(この「花の生理的リラックス効果」は科学的に解明されていますが、詳しくはまた日を改めて。)

忙しい現代人にとっては、
お気に入りの香りを見つけて花に癒しを求めてみるのも、手っ取り早い「リフレッシュ」方法の一つです。
ぜひお試しいただければ! お勧めです!!

それでは、
【 花楽(かがく)の時間~第2時限 】
最後までお付き合い下さりありがとうございました。

<ご参考までに、、>

脳は、大脳、小脳、脳幹の3つに分けられます。
その中でも、人間が物事を考えたり感じたり、言葉を話したり、記憶したりと大きな役割を持っているのが大脳です。

大脳の表面部分を大脳皮質と呼びますが、大脳辺縁系は大脳の内側に位置している部分の総称。
大脳皮質を含んで大脳辺縁系と言うこともあるようです。



【この記事を書いた人】

フラワーアーティスト みやび美歩
(アーティフィシャルフラワーデザイナー協会(AFDA)認定デザイナー)

「アーティフィシャルフラワーを 《ツール》から《アート》へ昇華させたい」との想いを持ち、アーティフィシャルフラワーだからこそできる「表現」の探求、個展・ワークショップを開催中。
>>詳細プロフィール 続きはこちら

みやび美歩 プロフィール




コメント


認証コード2949

コメントは管理者の承認後に表示されます。